土葬

インターネットの片隅で、壁に向かってシャドーボクシングをしています。

ライフゴーズオン

 人間が生きようとしなくても、その人間の人生は続く。とても残酷な当たり前の話だ。

 人生にもポーズボタンがあったら、とこれまで何度願ったことかわからない。死ねないのならせめて、時間は進まないままで途中休憩をとらせてほしい。

 

 フィギュアスケートの選手の精神は強靭だ。転んでも、すぐに立ち上がって、演技に戻る。氷上に倒れたその瞬間にも、音楽は流れ続ける。演目の時間は有限だ。どんなにショックを受けていても、立ち上がって舞わなければ自分に与えられた時間は過ぎ去っていくばかりなのだ。

 完璧な演技はそれはそれで一つ、驚嘆に値する精巧な芸術品なのだけれど、フィギュアスケートにおける転倒には何か、生きていくことそのものへの示唆が感じられて、そのしなやかな精神に、我々は完全さとは異なる美しい人間の在り方を見出だしているのだと思う。

 

 フィギュアスケート選手と、楽器を演奏する人と、舞台で演技をする人を尊敬している。よく、人がたくさんいるところで「本番」をできるなぁ。

 自分には出来ない。